ペルソナについて

ペルソナについて
ペルソナは架空の人物と思うより、泣いて笑って生活しているユーザーの代表だと思う件
食事を楽しむペルソナさん

「ペルソナ」と検索すると、最近は上位にマーケティングにおける「ペルソナについて」が上位に来るようになったが、数年前までは検索したらゲーまムのペルソナが検索結果ページを占めていたことを思いだす。

本日お話するのは、前者のマーケティング用語の「ペルソナ」についてである。

私はクライアント向けや社内での講座で「ペルソナ」について話す事が多々ある。ウェブマーケティング界隈では当然のように使われているが、この用語を知っている人は私の周りでは意外と少ない。井戸から出たら知らない人の方が多い事はあるあるだ。

話しは戻り、ペルソナについて知っている人はどう解釈しているだろうか。私の場合、一言でいうと「ユーザーたちの代弁者」である。

よく聞くのは、ユーザー調査やデータ分析からチーム全員で共通認識を持たすための架空のユーザー像という説明である。もちろん間違っているとは思っていないし、それを否定するつもりも全くない。

ただ、年齢や性別、氏名、住所、普段の行動などあらゆる詳細情報を設定したとしても、これが「架空」と言われた瞬間に私は冷めてしまう。(あくまで私は、だ)

皆さんもご存じの「iPhone」。これが誕生した時に最高のペルソナがいた。そうご存じの人も多いだろう。開発者のスティーブ・ジョブズ自身である。彼は、その製品を使うユーザーの多角的視点を代弁していたのだ。だから彼が「いいと思ったものは」大衆に受け入れられた。開発者がペルソナになる事自体が滅多とない稀な事ではあるが、確実に彼は生きている間に「もっと軽く」「もっと使いやすく」と製品に対して妥協しなかった。何故なら、彼がユーザーの代弁者だったからだ。「ユーザーは潜在的な事は言葉にできない」と、つい先日習ったのだが、それを言葉にできたのがジョブズである。顕在層であったわけだ。

しかし、ペルソナというのは簡単には作れない。以前、パートナー企業に依頼したら「一人100万円」といわれた。それくらい時間を使って作らないと「代弁者」ではなく「自分たちの理想像」になってしまうからだ。納得の金額である。

では、時間も費用もない場合、ペルソナは作れないのか?と言われれば、そうとも言えない。要は、今あるリソースにどれだけユーザー心理を足せるかだ。自社でアンケートを取るときに、「誘導ではなく潜在的に感じているユーザーの課題を引き出せるか」によって、少ないデータでも質の高いものになる可能性だってある。もちろんサンプルデータは多い方がいい事は大前提ではあるが。。

ユーザーアンケートなんて、時間も費用もかかるだろう!と思うかもしれないが、SNSでユーザーと強い繫がりを強固にする事でSNS上でアンケートを取ったりすることも手段の一つになるのではないだろうか。ユーザーの発言をチェックしてデータとして蓄積してもいい。何にしろ地道な作業をすっとばしてペルソナは作れないし、作ったペルソナには命を吹き込まなくてはいけないと思っている。

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